妊婦健診に行かないとどうなる?未受診で指摘されるリスクと公的サポートを産婦人科医が解説|港区田町駅西口の婦人科|しばウィメンズクリニック

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妊婦健診に行かないとどうなる?未受診で指摘されるリスクと公的サポートを産婦人科医が解説

妊婦健診に行かないとどうなる?未受診で指摘されるリスクと公的サポートを産婦人科医が解説|港区田町駅西口の婦人科|しばウィメンズクリニック

2026年7月22日

妊婦健診に行かないとどうなる?未受診で指摘されるリスクと公的サポートを産婦人科医が解説

「妊婦健診に行きたいけれど、費用や時間、心理的なハードルで足が遠のいている」という方に向けて、未受診の場合に指摘されている医学的リスクの全体像と、公的支援制度・受診再開の具体的な手順を産婦人科医監修でまとめました。 今からでも踏み出せる一歩を、一緒に整理していきます。

結論:妊婦健診を受けない期間があっても、今から受診を整え直すことができます

妊婦健診を受けない期間が続くと、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、感染症、胎児の発育評価など、定期的なチェックで早期に把握できるはずだった情報が「見落とされうる状態」になることが指摘されています。 ただし、これは「受診していない=取り返しがつかない」ということではありません。厚生労働省の『妊婦健康診査の実施について』によれば、妊婦健診は妊娠の経過に応じて必要な検査を段階的に積み重ねていくものであり、再開する時期にかかわらず、その時点から必要な評価を順次行っていくことができます。 実際の臨床現場でも、妊娠中期・後期から初めて受診される方は一定数おられます。大切なのは「行けなかった理由を責めること」ではなく、「今ある不安に対して、現在の週数から何を確認できるかを一緒に整理すること」です。 本記事では、未受診の場合に指摘されている医学的リスクの全体像から、費用負担を軽減する公的サポート、そして産婦人科への相談手順までを順を追って解説していきます。

この記事でわかること

  • 妊婦健診を受けない場合に指摘されている主な医学的リスク
  • 費用負担を軽くする公的サポート(妊婦健康診査受診票・特定妊婦支援・入院助産制度)の活用方法
  • 受診を再開するための具体的な相談手順とステップ

妊婦健診の役割と『行かない』ことの位置づけ

妊婦健診は、母体と胎児双方の健康状態を継続的に確認するための医療行為であり、厚生労働省は標準的に14回程度の受診を推奨しています。一方で「未受診」という言葉は、初診をまだ受けていないケースと、途中から受診間隔が空いてしまったケースの両方を含む幅広い概念を指します。 「行かない」という選択や状況の背景には、経済的事情・心理的負担・職場の都合など、さまざまな要因が背景にあります。 ここで前提として共有しておきたいのは、妊婦健診を受診しないこと自体に法的な罰則は設けられていないという点です。ただし、母子の安全のため、厚生労働省や日本産科婦人科学会は定期的な受診を強く推奨しているのが現状です。 本セクションでは、まず標準的な健診の頻度を整理したうえで、「未受診」「飛び込み出産」という言葉の意味と、罰則に関する誤解について解説します。

標準的な妊婦健診の頻度と検査内容(全14回の概要)

厚生労働省の『妊婦健康診査の実施について』によれば、標準的な妊婦健診のスケジュールは、おおむね妊娠8週前後の初診から始まり、妊娠23週までは4週間に1回、24週から35週までは2週間に1回、36週以降は毎週 1回というペースで進められます。これを合計すると、出産までに14回程度の受診が想定される計算となります。 各時期に行われる検査内容には、超音波(エコー)検査、血液検査、血圧測定、尿検査、体重測定、子宮底長・腹囲の計測などが含まれます。 時期によっては妊娠糖尿病のスクリーニングや診断のための検査、妊娠後期にはB群溶血性連鎖球菌(GBS)検査なども追加されます。 詳細なスケジュールや各回の検査内容については、別記事で図解とともにまとめていますので、あわせてご参照ください。

妊娠週数と主な検査項目

「未受診」「飛び込み出産」とは何か

厚生労働省研究班監修の「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」によれば、「未受診妊婦」は一般的に、妊娠中に定期的な妊婦健診を受けていない、あるいは極端に受診回数が少ない妊婦を指す言葉として使われています。 そのなかでも特に、定期受診のないまま陣痛が始まり医療機関に到達した出産を「飛び込み出産」と呼ぶ整理が広く用いられています。 ただし、「妊婦健診 行かないとどうなる」と検索される方の多くは、いわゆる飛び込み出産に該当するケースばかりではありません。むしろ、初診は受けたものの途中から間隔が空いてしまった、仕事や費用の都合で1〜2回スキップしてしまった、というケースが大半を占めます。 本記事では、こうした「途中で間隔が空いてしまった」状況の方も含めて、未受診を広い意味で扱っていきます。

妊婦健診を受けないことに罰則はあるのか

結論として、妊婦健診を受けないことに対する法的な罰則は設けられていません。 母子保健法や児童福祉法は、自治体が妊婦健診の受診を勧奨する義務や、特定妊婦への支援義務などを定めていますが、妊婦本人に対して受診を強制する規定や罰則規定は存在しません。 ただし、厚生労働省の案内によれば、妊婦健診は母子の健康を守るための重要な医療行為であり、定期的な受診が強く推奨されています。 罰則がないからといって、受診の必要性がないわけではないという点を正しく理解しておくことが大切です。

妊婦健診を受けない場合に指摘されている主なリスク

妊婦健診を受けない期間が長くなると、母体・胎児双方に対して複数のリスクが指摘されています。具体的には、(1)妊娠合併症の発見遅延、(2)感染症スクリーニング機会の喪失、(3)胎児の発育・形態評価機会の喪失、(4)分娩時の受け入れに関わるリスク、(5)周産期予後への影響、の5カテゴリに整理できます。 これらは、定期的な妊婦健診によって早期に把握・対応できる事項が、受診の中断によって見えづらくなることに由来しています。岡山大学が公開する周産期医療関連資料および大分県医療ソーシャルワーカー協会の未受診妊婦実態調査によれば、未受診群と定期受診群では周産期予後に差があると報告されています。 以下にそれぞれの内容を整理します。なお、これらは一般的な傾向であり、すべての未受診妊婦に必ずしも当てはまるわけではありませんが、安全な出産を迎えるための重要な指標となります。

妊娠合併症の発見が遅れるリスク

妊婦健診を受けない期間が長くなると、妊娠特有の合併症の発見が遅れる可能性が指摘されています。 代表的な合併症の1つが妊娠高血圧症候群です。日本産科婦人科学会『産婦人科診療ガイドライン産科編』では、妊娠高血圧症候群は妊娠中の血圧上昇とたんぱく尿などを特徴とする状態で、母体には脳出血や子癇発作、胎児には発育不全や常位胎盤早期剥離などのリスクが指摘されていると整理されています。 血圧測定と尿検査は妊婦健診で毎回行われるベーシックな項目であるため、定期受診の中断は、こうした変化を早期にキャッチする機会の喪失につながります。 もう1つが妊娠糖尿病(GDM)です。妊娠糖尿病は妊娠中期以降に発症することが多く、通常の健診で行われるスクリーニング検査を経て、必要に応じてブドウ糖負荷試験(75gOGTT)などの精密検査が実施されます。未受診でこれらの検査を受ける機会がない場合、巨大児や新生児低血糖などのリスクにつながることが報告されています。 いずれの合併症についても、早期から定期的に評価を続けることで、食事・運動・内服・分娩方針などの選択肢を計画的に検討できるようになります。「気づいたときから対応の幅を広げていく」視点で受診の再開を考えていくことが大切です。

感染症スクリーニング機会が失われるリスク

妊婦健診の初期に行われる感染症スクリーニングは、母子感染を予防するうえで重要な役割を担っています。 厚生労働省の案内や産婦人科診療ガイドラインによれば、妊娠初期にはB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・梅毒・HIV・風疹抗体・トキソプラズマなどの感染症検査が標準的に行われており、結果に応じて妊娠中・分娩時・出生後の対応方針が組み立てられます。 これらの検査を受ける機会が失われると、たとえば母子感染を予防するための薬剤投与のタイミングや、出産後の新生児への対応など、本来選べたはずの予防策の選択肢が狭まる可能性が報告されています。 また、妊娠後期にはGBS(B群溶血性連鎖球菌)検査が行われます。GBSは新生児への垂直感染リスクが指摘されている細菌で、陽性の場合には分娩時に抗菌薬を投与することで新生児感染のリスクを下げる対応が一般的です。 未受診の場合、GBS保菌の有無が把握できないままお産を迎えることになり、新生児感染へのタイムリーな配慮が難しくなる可能性が指摘されています。分娩時に医療スタッフが妊婦の感染症情報を把握できないことは、医療者側の適切な感染対策や新生児ケアの速やかな準備にも影響を与えるとされています。

胎児の発育・形態評価が行われない期間の影響

妊婦健診で行われる超音波検査は、胎児の発育・推定体重・羊水量・胎盤の位置などを評価する役割を担っています。 産婦人科診療ガイドラインによれば、胎児発育不全(FGR)は胎児の推定体重が在胎週数に対する基準を下回る状態で、原因として胎盤機能の低下や母体側の要因などが指摘されています。定期的な超音波検査が行われない期間が生じると、FGRの存在に気づきにくくなり、その後の対応の選択肢が狭まる可能性があります。 また、前置胎盤や低置胎盤も超音波検査によって発見される代表的な状態です。日本産科婦人科学会『産婦人科診療ガイドライン産科編』では、前置胎盤は胎盤が子宮口を覆う位置にある状態で、経腟分娩が難しく帝王切開での分娩計画が選択されることが多いと整理されています。 これらは中期以降の超音波検査で評価されることが多いため、その時期に未受診となっていると、分娩方針を決定するための準備時間が短くなるリスクが生じます。「分娩方法を事前に計画する」「必要に応じて高次医療機関と連携する」といった安全な選択肢を確保するためにも、超音波を含む定期評価の機会は重要な意味を持ちます。

分娩時の受け入れに関わる課題

妊婦健診を受けないまま分娩を迎えるケースでは、医療機関側の受け入れ態勢にも影響が出ることが指摘されています。 妊娠経過情報や感染症情報がない状態での分娩は、医療機関側にとって準備時間が極端に短く、輸血の準備や新生児集中治療室(NICU)との連携、感染対策などをゼロから組み立てる必要が出てきます。そのため、受け入れ可能な医療機関を探すのに時間を要するケースが報告されています。 しかし、未受診であっても相談できる窓口は必ず存在します。自治体の母子保健担当課や、医療機関のMSW(医療ソーシャルワーカー)が連携することで、未受診妊婦の受け入れ調整が行われている事例も多々あります。「未受診だから受け入れてもらえない」と諦めるのではなく、可能な限り早い段階で公的窓口や産婦人科に連絡することで、安全に出産を迎えるための調整の余地は広がります。

周産期予後への影響

複数の研究・実態調査において、未受診群と定期受診群では周産期予後に差があると報告されています。未受診妊婦における周産期死亡率や低出生体重児の割合などについて、定期受診群よりも高い傾向にあることが指摘されています。 これらの数値は、あくまで集団レベルで観察された統計的傾向であり、個別の妊婦さんに必ず当てはまるものではありません。しかし、定期的な健診を受けることで「リスクの早期発見」「対応の選択肢の確保」「分娩準備の十分な時間確保」が可能になるという基本的な構造は変わりません。データに過度な恐怖を抱く必要はありませんが、「いま受診を再開することの確かな意味」を理解する材料として捉えていただければと思います。

妊婦健診を受けない場合に指摘されている主なリスク

妊婦健診を受けにくい背景と、罪悪感を抱えた方へ

妊婦健診を受けにくくなる背景は、人によって本当にさまざまです。費用面の不安、職場の休みづらさ、家族関係、過去の医療体験、孤立感など、複数の要因が重なって受診から足が遠のいてしまうケースは、臨床現場でも少なくありません。 ここで強調しておきたいのは、「行けなかったこと」自体に罪悪感を抱き、自分を責める必要はないということです。妊娠週数が進んでから初めて受診する場合でも、その時点から必要な検査を順次行っていくことができます。産婦人科の多くは、「どのような状況であっても、まずはお電話でご相談ください」という姿勢で対応しています。次の一歩を踏み出すための考え方を整理していきましょう。

受診をためらう主な要因(経済的・心理的・社会的)

実態調査によれば、受診をためらう要因としては、経済的要因(健診費用や交通費の負担)、心理的要因(妊娠の受容困難や不安、医療への不信感)、社会的要因(パートナーや家族の理解不足、孤立、若年妊娠、外国籍による言葉の不安など)、物理的要因(仕事の休みづらさや育児・介護との両立)など、複数の要素が複雑に絡み合っているケースが多いと報告されています。 臨床現場でも、こうした困難な状況に直面している方は決して珍しくありません。「自分だけが怠っているのではないか」と思い詰める必要はありません。医療側はそうした多様な背景があることを前提として、サポートの選択肢を準備しています。相談時に最初から事情を完璧に説明する必要はありませんので、「今こういう状況で困っている」ということだけを伝えていただければ問題ありません。

自分を責めずに次の一歩を踏み出すために

これまでに受診できなかった事情を悔やむ必要はありません。大切なのは、現在の妊娠週数からこれからできる検査や対応を、医療機関と一緒に前向きに組み立てていくことです。妊娠週数が進んでいる場合でも、その時点で必要な超音波検査・血液検査・血圧や尿検査などを順次行うことで、正確な状況の把握とこれからの分娩方針の決定は十分に可能です。 産婦人科の多くは、いつでも受診を歓迎するスタンスをとっています。「なぜもっと早く来なかったのか」と責められるのではなく、「まずは来てくれてよかった、これから一緒に考えていきましょう」と温かく迎えられるケースが一般的です。受診への心理的ハードルは、想像しているよりもずっと低いものであると知っておいていただければ幸いです。

妊婦健診の費用負担を軽減する公的サポート制度

費用負担は、妊婦健診を受けにくくなる大きな要因の1つです。しかし、こども家庭庁の案内や公的資料によれば、妊婦健康診査受診票(助成券)、特定妊婦支援、入院助産制度など、費用負担を軽減するための公的サポート制度が複数用意されています。これらは、対象・申請窓口・利用上の注意点を理解しておけば、必要に応じて活用できる制度です。実際の臨床現場でも、こうした制度を利用しながら受診を継続される方は少なくありません。主要な3つの制度について解説します。

妊婦健康診査受診票(助成券)の活用方法

妊婦健康診査受診票(助成券)は、妊娠届出書を提出して母子健康手帳の交付を受けた際に、自治体から配布される費用助成のための券です。自治体ごとに助成回数や上限額、対象となる検査などは異なりますが、おおむね14回分の妊婦健診を想定した助成内容となっているケースが多く見られます。 ここで重要なのは、妊娠中期や後期から受診を再開する場合でも、未使用分の受診票を使用できる可能性があるという点です。市区町村の母子保健担当課に問い合わせることで、現時点で手元にある受診票の枚数や、具体的な利用方法を案内してもらえます。「途中から再開する場合は使えないのではないか」と思い込んで諦めてしまう前に、まずは窓口へ確認することをおすすめします。

里帰り出産・転居時の助成と償還払い制度

里帰り出産や転居によって、住民票がある自治体以外の医療機関で妊婦健診を受ける場合、助成券がそのまま窓口で使用できないことがあります。こうした場合に活用できるのが「償還払い(しょうかんばらい)」制度です。 多くの自治体では、いったん全額を自己負担で支払ったうえで、領収書や診療明細書を持って自治体窓口に申請することで、助成相当分が後日払い戻される仕組みが用意されています。そのため、他県の医療機関を受診する場合は、領収書と診療明細書を必ず紛失しないよう保管しておくことが重要です。償還払いの対象となる検査項目、上限額、申請期限などは自治体ごとに異なるため、里帰りや転居が決まった段階で、現住所地の母子保健担当課に事前確認しておくと安心です。

特定妊婦支援・入院助産制度

経済的・社会的に特別な支援が必要な妊婦を対象とした制度として、児童福祉法上の「特定妊婦」支援と、入院助産制度があります。 「特定妊婦」とは、出産後の養育について出産前から支援を行うことが特に必要と認められる妊婦を指し、市区町村が個別の支援計画を立てて、保健師、助産師、医療ソーシャルワーカー(MSW)などが連携してサポートする仕組みです。 入院助産制度は、児童福祉法第22条に基づき、経済的な理由により入院して分娩することが困難な妊婦を対象に、指定の助産施設に入院して出産(助産)を受けられるようサポートする制度です。 申請窓口は、いずれもお住まいの市区町村の児童福祉担当課または母子保健担当課となります。これらの制度は、誰もが安心して出産を迎えるために整備された公的な仕組みであり、利用することに後ろめたさを感じる必要は一切ありません。

妊婦健診の費用負担を軽減する公的サポート制度

妊婦健診を再開・初診で受けるための具体的なステップ

受診を再開する、あるいは初めて受診することを決めたら、次に必要なのは具体的な手順の整理です。以下の4つのステップに分けて動くことで、行動のハードルを下げることができます。初診を受けていない方も、受診間隔が空いてしまった方も、基本的な流れは共通しています。

ステップ1:今の状況を整理する(週数・既往症・最終受診日)

最初のステップは、現在の自分の状況を簡単にメモにまとめることです。完璧に把握できていなくても問題ありませんので、覚えている範囲で書き出しておきましょう。具体的には、以下の項目を整理しておくとその後のやり取りがスムーズになります。

  • 最終月経開始日(またはおおよその妊娠週数)
  • 過去の受診歴(初診を受けた医療機関名や最終受診日)
  • 既往症・服薬中の薬・アレルギーの有無
  • 母子健康手帳(妊婦健康診査受診票)の交付状況

ステップ2:自治体の母子保健窓口に相談する

次に、お住まいの市区町村の母子保健担当課に電話で相談することをおすすめします。母子保健担当課は、妊娠届出の受付、母子健康手帳の交付、妊婦健康診査受診票の発行、保健師による相談、特定妊婦支援などを一手に担っている窓口です。 母子健康手帳をまだ受け取っていない場合は、この段階で妊娠届出書を提出することで、母子健康手帳と受診票を交付してもらえます。電話の段階で、現在利用できる助成内容や、地域の産婦人科の情報などもあわせて案内してもらえるのが一般的です。「妊娠〇週ですが、今から健診を受けたい」と伝えることで、窓口の保健師が必要な手続きをサポートしてくれます。

ステップ3:産婦人科に予約・問い合わせる

母子保健窓口での相談と並行して、あるいは相談後に、産婦人科へ予約の問い合わせを行います。伝え方はシンプルで構いません。「妊娠〇週ですが、前回の受診から期間が空いてしまっています。受診は可能ですか?」と言ったように、現在の状況をありのまま伝えていただければ十分です。 近年では完全予約制やプライバシーに配慮した運営(番号での呼び出しなど)を取り入れているクリニックも増えており、久しぶりの受診でも相談しやすい環境が整っています。 たとえば、東京都港区にあるしばウィメンズクリニック(医療法人社団しらかば会)では、完全予約制のもと、女性のための婦人科診療体制を整えており、事前の問い合わせにも対応しています。まずは通いやすい地域のクリニックへ問い合わせてみることから始めてみましょう。

ステップ4:必要に応じてMSW・地域の支援機関と連携する

経済的・社会的な事情により、医療機関の受診や費用負担に強い不安がある場合は、医療ソーシャルワーカー(MSW)や地域の支援機関と連携することも有効な手段です。 大学病院や総合病院にはMSWが在籍していることが多く、未受診妊婦の受け入れ調整、経済的支援制度の申請サポート、地域の支援機関との連携などを担っています。そのほか、児童家庭支援センターや、地域のNPO法人による妊娠相談窓口などもサポートを行っています。「医療機関にいきなり連絡するのは緊張する」という場合は、こうした第三者機関を最初の相談窓口にすることも選択肢の1つです。

ステップ1~4のフローガイド

産婦人科医からのメッセージ

受診できないまま週数が進んでしまった方も、まずは電話でのご相談からで構いません。臨床現場では、妊娠中期や後期から初めて受診される方や、しばらく間隔が空いてしまった状態で来院される方は決して珍しくありません。 産婦人科の多くは、「まずは無事に来てくれてよかった。ここから何ができるかを一緒に考えていきましょう」というスタンスで対応しています。すべての検査を一度に行う必要はなく、その時点で優先順位の高い項目から段階的に進めていきますので、安心して一歩を踏み出していただければと思います。

よくある質問(FAQ)

Q1:妊婦健診に行かないと罰則はありますか?

法的な罰則は設けられていません。妊婦本人に対して受診を強制する規定や罰則規定は母子保健法・児童福祉法上には存在しません。ただし、母子の健康と安全な出産を守るため、厚生労働省などは定期的な妊婦健診の受診を強く推奨しています。

Q2:妊娠後期から初めて受診しても大丈夫ですか?

受診可能です。その時点で優先される超音波検査、血液検査、血圧・尿検査などを順次行い、出産までの方針を整えていく形が一般的です。週数にかかわらず、まずは医療機関へご相談ください。

Q3:健診を1〜2回スキップした場合、何が起きますか?

1〜2回のスキップで必ずトラブルが起きるわけではありません。ただし、その期間の母体の血圧や尿、胎児の発育状態などが把握できなくなるため、妊娠高血圧症候群などの合併症の早期発見機会を逃すリスクが生じます。気づいた段階で早めに受診を再開することが望まれます。

Q4:費用が払えない場合はどうすればよいですか?

妊婦健康診査受診票(助成券)による補助のほか、償還払い制度、特定妊婦支援、入院助産制度などの公的サポートが用意されています。まずは状況をお住まいの市区町村の母子保健担当課へご相談ください。

Q5:妊婦健診を受けずに出産した場合、病院は受け入れてくれますか?

受け入れ可能な医療機関は存在しますが、事前の妊娠経過や感染症情報がない状態での分娩は、医療機関側の速やかな準備が難しくなることが指摘されています。安全なお産のためにも、可能な限り事前に予約・相談のうえ受診されることが推奨されます。自治体の窓口やMSWを通じて受け入れ調整が行われるケースもあります。

Q6:母子手帳がないのですが、健診は受けられますか?

お住まいの市区町村で妊娠届を提出することで、母子健康手帳と妊婦健康診査受診票が即日または後日交付されます。まずは自治体の母子保健担当課へご連絡いただき、手続きの流れをご確認ください。

Q7:パートナーや家族に内緒で受診できますか?

医療機関の診療情報には厳格な守秘義務があり、ご本人の同意なく第三者に開示されることは原則としてありません。プライバシーに配慮した対応を行っているクリニックも多いため、まずは一度お問い合わせください。

まとめ:今夜できる最初の一歩

妊婦健診を受けない期間が続くと、妊娠合併症や感染症、胎児の発育評価など、複数の領域でリスクが見落とされうる状態になることが指摘されています。しかし、現在の週数にかかわらず、今から受診を再開することは十分に可能です。

最初の一歩として、まずは現在の状況(最終月経日や最終受診日など)をメモに整理してみましょう。次に、お住まいの自治体の母子保健担当課に電話で連絡し、現時点で利用できる助成や支援について確認します。デジタルツール等での情報収集と並行して、産婦人科への予約や問い合わせを行います。産婦人科はいつでも妊婦さんをサポートする態勢を整えていますので、無理のないペースで、できることから動き始めてみてください。

なお、東京都港区エリアで妊婦健診の再開や受診を検討されている方は、しばウィメンズクリニック(医療法人社団しらかば会、東京都港区芝4-5-8 池藤ビル3階)でも相談を受け付けています。診療担当は月・火・木・金曜日、完全予約制で安心して受診いただけます。詳細はクリニック公式サイトをご確認ください。

参考文献

この記事の監修者

しばウィメンズクリニック

院長・医学博士 劉 樺(りゅう かんば)

経歴
2007年3月:聖マリアンナ医科大学医学部 卒業
2007年4月~2009年3月:東京女子医科大学病院にて初期臨床研修 修了
2009年4月~2016年3月:東京女子医科大学 産婦人科学講座
2016年4月~2019年10月:東京ベイ・浦安市川医療センター 産婦人科
2016年10月~:東京女子医科大学東医療センター 麻酔科
2020年7月:みなとウィメンズクリニック 開設
2026年4月:しばウィメンズクリニック 開設
資格・所属
産婦人科専門医
日本美容内科学会 会員
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
医学博士
臨床研修指導医

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