妊婦健診で行う性感染症検査とは|検査項目・時期・陽性時の対応を産婦人科医が解説【ガイドライン2023準拠】|港区田町駅西口の婦人科|しばウィメンズクリニック

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妊婦健診で行う性感染症検査とは|検査項目・時期・陽性時の対応を産婦人科医が解説【ガイドライン2023準拠】

妊婦健診で行う性感染症検査とは|検査項目・時期・陽性時の対応を産婦人科医が解説【ガイドライン2023準拠】|港区田町駅西口の婦人科|しばウィメンズクリニック

2026年7月24日

妊婦健診で行う性感染症検査とは|検査項目・時期・陽性時の対応を産婦人科医が解説【ガイドライン2023準拠】

妊婦健診では母児の健康を守るため、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV、クラミジア、GBS、HTLV-1の7項目の性感染症スクリーニング検査が、日本産科婦人科学会のガイドラインで推奨されています。本記事では検査時期や各疾患の母子感染リスク、陽性時の対応、パートナー検査、プライバシーへの配慮までを、産婦人科医監修のもと分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 妊婦健診で行う性感染症検査7項目の内容と時期
  • 各疾患の母子感染リスクと検査の意義
  • 陽性時の対応プロセスとパートナー検査・プライバシー配慮

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。具体的な検査・治療については、必ず主治医にご相談ください。

妊婦健診で性感染症検査を行う理由

妊婦健診で性感染症の検査が行われる最大の理由は、母児双方の健康を守るための標準的なスクリーニングとして位置づけられているからです。

性感染症(STI:Sexually Transmitted Infection)の中には、自覚症状がほとんどないまま経過するものが存在し、妊婦さん自身が気付かないうちに妊娠経過や赤ちゃんに影響を及ぼすリスクがあります。そのため、妊娠初期の段階で広くスクリーニング検査を実施し、必要に応じて適切な周産期管理へとつなげる体制が標準化されています。これらの検査は「特定の異常が疑われたから受ける」ものではなく、「すべての妊婦さんを対象に行う標準的な確認手順」として健診プログラムに組み込まれています。

母子感染リスクを早期に把握するため

性感染症の母子感染(垂直感染)には、大きく分けて3つの経路があります。

具体的な経路としては、胎盤を通じて胎児に病原体が移行する「経胎盤感染」、分娩時に産道で新生児が病原体に接触する「経産道感染」、そして母乳を介して感染する可能性がある「経母乳感染」の3つが挙げられます。日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の『産婦人科診療ガイドライン産科編2023』に基づき、これら3つの経路におけるリスクを早期に把握することで、妊娠中、分娩時、産後の各段階において、母児への影響を最小限に抑えるための適切な医学的アプローチを検討できるようになります。

たとえば、ある疾患では妊娠中の内服治療計画が重視され、別の疾患では分娩方法の工夫や出生直後の新生児への予防的処置が重要となります。このように、検査の目的はあくまで「一歩進んだ予防と準備」のための確認であり、万が一陽性であっても、適切な管理を行うための選択肢が事前にしっかりと確立されています。母子感染のリスクを早期に把握する仕組みそのものが、赤ちゃんとお母さんを守るための大切な土台となっています。

妊婦健診で性感染症検査を行う理由

公衆衛生政策としての標準スクリーニング

性感染症検査が妊婦健診に組み込まれている背景には、公衆衛生政策としての重要な役割もあります。 厚生労働省の指針に基づき、妊婦健診は母子保健の柱として位置づけられており、自治体が交付する妊婦健康診査受診票(補助券)の対象となっています。これにより、性感染症スクリーニングを含む基本的な検査の多くが公費による支援を受けられる仕組みが整っています。

これは、すべての妊婦さんが経済的な事情に関わらず、必要な検査を等しく受けられるように設計された制度です。そのため、「何か特別な事情があるから受ける」と後ろめたさを感じる必要はまったくありません。検査結果に過度な不安を抱きすぎず、母児の安全を最優先にするための標準的なプロセスとして、リラックスして受診してください。もし気になる点や不安なことがあれば、検査の前後を問わず、いつでも主治医や助産師へ相談することができます。

妊婦健診で行う性感染症検査7項目の一覧

妊婦健診で行われる性感染症スクリーニングは、日本産科婦人科学会のガイドラインで推奨されている7項目が基本となります。このうち6項目は妊娠初期に実施され、GBS(B群溶血性連鎖球菌)のみ妊娠後期に行われます。これらの多くは、自治体から交付される妊婦健康診査受診票(補助券)の助成対象となっています。

7つの検査項目について、それぞれの実施時期や検査方法の全体像を以下に整理します。

妊婦健診で行う性感染症検査7項目の一覧

検査項目早見表(時期・目的・公費補助の有無)

検査項目 検査時期 検査方法 公費補助の目安
梅毒 妊娠初期 RPR・TPHA等の血液検査 助成対象になりやすい
B型肝炎(HBV) 妊娠初期 HBs抗原(血液検査) 助成対象になりやすい
C型肝炎(HCV) 妊娠初期 HCV抗体(血液検査) 助成対象になりやすい
HIV 妊娠初期 HIV抗体(血液検査) 助成対象になりやすい
クラミジア 妊娠初期 核酸増幅検査(PCR法等) 助成対象になりやすい
HTLV-1 妊娠初期 抗体スクリーニング(血液検査) 助成対象になりやすい
GBS 妊娠35〜37週頃 膣・外陰部スワブ培養検査など 助成対象になりやすい

※実際の助成範囲やカバーされる金額の上限は、お住まいの自治体および受診する医療機関の料金設定によって異なる場合があります。詳細な運用については、自治体の案内やクリニックの窓口でご確認ください。

妊娠初期(〜妊娠12週頃)に行う検査

妊娠初期に実施されるのは、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV、クラミジア、HTLV-1の6項目です。 血液検査の項目は一度の採血で同時に確認できるため、初診以降の比較的早い段階でまとめて実施するのが効率的です。一方、クラミジア検査については、内診時に採取する膣分泌物(または尿)を用いた核酸増幅検査(PCR法など)で行われるのが標準的です。

妊娠初期にこれらを集中して行うのは、万が一何らかの感染が確認された場合に、その後の妊娠経過に合わせた詳細な周産期管理計画を立てるための時間的余裕をしっかりと確保するためです。

妊娠中期〜後期に行う検査

妊娠中期から後期にかけて、個別に追加されるのがGBS(B群溶血性連鎖球菌)の培養検査です。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、GBS検査は妊娠35〜37週頃に実施することが強く推奨されています。 これは、お産が近づく時期に膣内にGBSが常在しているかどうかが、分娩時の赤ちゃんへの感染リスクを正確に判定するための重要な情報となるためです。分娩直前に近いこの時期に検査を行うのは、妊婦さんの膣内の常在菌バランスや保菌状況が妊娠の経過とともに変化することがあるためです。

各検査項目の意義と母子感染リスク

7項目それぞれの検査が持つ意味と、母子感染に関する一般的な考え方について解説します。いずれの項目も「陽性=すぐに大きな問題が起こる」というわけではなく、事前に正しい現状を把握することで、母児への影響を最小限に抑えるための確実な予防策や治療方針を選択できるようになります。

梅毒検査(RPR・TPHA等)

梅毒は近年、国内での報告数が増加傾向にあることから、改めて妊娠初期のスクリーニングにおいて重要視されている性感染症です。 妊娠中に梅毒への感染が判明しないまま放置されると、胎盤を通じて赤ちゃんに感染し、「先天梅毒」や流産・早産の原因となるリスクが指摘されています。そのため、初期段階での適切なチェックが欠かせません。 実際の検査では、まず現在の活動性を捉えるRPRなどのスクリーニングを行い、そこで反応がみられた場合には、過去の感染歴も含めて精査するTPHAなどの確認検査を組み合わせ、段階を経て正確な診断を下すプロセスがとられます。

B型肝炎ウイルス(HBV)検査(HBs抗原)

B型肝炎ウイルス(HBV)は、母子感染(垂直感染)を防ぐための周産期対策が古くから確立されている感染症です。 妊娠初期の血液検査で「HBs抗原」の有無を測定し、万がお母さんがウイルスのキャリアであることが分かった場合でも、赤ちゃんへの感染を防ぐための明確なステップが用意されています。現在では、関係学会のガイドラインや公的な母子感染予防プログラムに基づき、赤ちゃんが生まれた直後からB型肝炎ワクチンと抗HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)を適切に投与する医療体制が確立されています。事前のスクリーニングは、生まれてくる赤ちゃんを確実に守る準備のために不可欠な位置づけとなっています。

C型肝炎ウイルス(HCV)検査(HCV抗体)

C型肝炎ウイルス(HCV)の母子感染率は、B型肝炎に比べると相対的に低いことが知られていますが、可能性を完全には排除できないため、妊婦健診での抗体スクリーニングが標準化されています。 最初の抗体検査で陽性が確認された場合は、実際に体内でウイルスが増殖しているかを測る精密な「HCV-RNA検査」や、肝機能の評価が追加されます。妊娠中の治療には一定の制約を伴うケースが多いため、専門の消化器内科等とも密に連携しながら、産後の赤ちゃんへのフォロー方針を含めた総合的な計画を立てていきます。

HIV検査(HIV抗体)

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、妊娠初期に正しく現状を把握し、適切な医療管理を行うことで、赤ちゃんへの母子感染リスクを極めて低いレベルにまで抑えられることが実証されている疾患です。 具体的には、妊娠中の適切な時期からの抗ウイルス薬の服用、計画的な分娩方法の選択、産後の人工乳による栄養管理、そして新生児への予防的処置などを組み合わせるアプローチがとられます。そのため、HIV検査は決して病気を疑って行うものではなく、母児の安全な出産に向けた「治療や選択肢をあらかじめ確保するための重要な確認」という意味合いを持っています。

クラミジア検査(核酸増幅検査)

性器クラミジア感染症は、女性において自覚症状がほとんど現れないまま経過しやすい性感染症の代表例です。 妊娠中に未治療のまま放置されてしまうと、子宮頸管の炎症から流産や早産、前期破水のリスクが高まるほか、出産の際に赤ちゃんが産道で感染し、新生児結膜炎やクラミジア肺炎を引き起こす原因となることがあります。検査は内診時に膣分泌物を採取して行うため痛みはなく、非常に精度の高いPCR法などで実施されます。陽性と判定された場合でも、妊娠中でも安全に使用できる抗菌薬を適切に服用することで、確実に治療することができます。

GBS(B群溶血性連鎖球菌)検査

GBS(B群溶血性連鎖球菌)は、健康な成人の腸管や膣内などにもともと広く常在している細菌であり、厳密にはいわゆる「性感染症」とは異なる一般的な常在菌です。しかし、お産の際に産道で赤ちゃんに移行すると、新生児敗血症や髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こす恐れがあるため、妊婦健診において非常に重視されています。 ガイドラインに則り、妊娠35〜37週頃に膣や外陰部周辺の分泌物を綿棒で軽く拭って培養検査を行います。万が一陽性と判定された場合は、お産の始まりや破水のタイミングに合わせて母体に抗菌薬の点滴を行うことで、赤ちゃんへの垂直感染を未然に防ぐ体制が取られます。

HTLV-1検査(抗体スクリーニング)

HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は、将来的な成人T細胞白血病(ATL)などの原因となるウイルスであり、主に母乳を介して赤ちゃんへ移行する「経母乳感染」が管理上の焦点となります。 妊娠初期の抗体スクリーニングで陽性が確認された場合は、赤ちゃんへの感染リスクを下げるため、完全人工乳への切り替えや、短期授乳(生後3か月未満での離乳)、凍結母乳の活用など、具体的な栄養方法について医師や助産師から丁寧な説明が行われます。陽性であっても生涯にわたり発症しない方が大半ですので、結果を冷静に受け止め、ご家族にとって無理のない最適な育児計画を一緒に選択していくことが大切です。

検査結果の見方と陽性時の対応プロセス

検査結果が陽性と通知された場合でも、それがただちに「確定診断」を意味するわけではありません。妊婦健診で行われるのは、あくまで可能性を広く拾い上げるための「スクリーニング検査」であり、その後の「確認検査(精密検査)」や医師による総合的な評価を経て、初めて個別の管理・治療計画へとつながります。結果を受け取ってから具体的な対応にいたるまでの段階的なプロセスについて解説します。

検査結果の見方と陽性時の対応プロセス

スクリーニング検査と確認検査の違い

スクリーニング検査は、対象者の中から可能性のある人を漏れなく抽出するために、感度を非常に高くして設計されています。そのため、実際には感染がないにもかかわらず、検査の特性上「陽性」と判定されてしまう「偽陽性(ぎようせい)」が一定の割合で発生します。

たとえば梅毒検査では、最初のスクリーニング(RPRなど)で反応が出た場合、より精度の高い「TPHA」や「FTA-ABS」といった確認検査を個別に行い、本当に治療が必要な状態であるかを段階的に見極めていきます。つまり、最初の陽性通知は確定診断ではなく、「もう一段階詳しく調べる必要がある」というサインであることを理解しておくことが大切です。

結果説明の流れと医師面談

万が一、スクリーニング検査で陽性の可能性が示唆された場合は、医療機関において個別に十分な診察時間が確保され、医師からの丁寧な結果説明が行われます。

面談の場では、検査結果が持つ具体的な意味、追加で実施する確認検査の内容、今後予想されるスケジュール、そして妊娠経過にどのような影響を及ぼし得るかといった点が、客観的事実に基づいて分かりやすく説明されます。不安なことや分からない専門用語があれば、遠慮なくその場で質問してください。あらかじめ聞きたいことをメモにまとめて持参するのも、聞き忘れを防ぐ有効な方法です。

個別管理計画の決定

確認検査を経て診断が確定した後の具体的な管理計画は、日本産科婦人科学会の『産婦人科診療ガイドライン産科編2023』や各疾患の最新の治療指針に基づき、妊娠週数、既往歴、他の検査データなどを総合的に踏まえて主治医が決定します。

医療の対応は妊婦さん一人ひとりの状態に合わせてパーソナライズされるため、インターネット上の断片的な情報や他の方の体験談をそのままご自身に当てはめて不安を大きくする必要はありません。結果の通知を受けた際に最も大切なのは、自己判断で思い悩まず、用意された医師との面談の機会を活かして、今後の正しい見通しを一緒に立てていくことです。

パートナー検査とプライバシー配慮

妊婦健診で性感染症の陽性が判明した場合、パートナー(夫)への検査や治療の推奨が検討される場面があります。ここで最も重要なのは、パートナー検査の目的は誰の責任かを追及することではなく、「家族全体の健康を確実に守り、お産を安全に迎えるための医学的なプロセス」であるという視点です。

また、デリケートな検査結果のプライバシーは公的な法令と医療職の守秘義務によって厳重に守られているため、心理的な負担を過度に背負い込む必要はありません。

パートナー検査の意義

パートナー検査を行う真の意義は、ピンポン感染(お互いに感染を繰り返すこと)を防ぎ、家族全員の健康状態を適切に整えることにあります。 性感染症の多くは、検査を行わない限り自覚症状だけで感染の有無を判断することが難しいため、妊娠という大切な節目を「家族の健康を見直す重要なきっかけ」と捉えることが大切です。

実際の臨床現場においても、医療者はどちらに原因があるかといった問題には一切関与せず、これからの安全な出産と健やかな育児生活のために、中立的な立場からパートナーへの検査や治療の必要性を分かりやすく説明します。

守秘義務とプライバシー保護

検査結果に関する個人情報は、医師法に基づく厳格な守秘義務および個人情報保護法によって非常に強固に守られています。 医療機関が本人の明確な同意を得ることなく、カルテの内容や検査結果を第三者(たとえご家族であっても)に開示することは原則として絶対にありません。

配偶者からの直接の問い合わせであっても、妊婦さんご本人の事前の同意がない限り、結果が勝手に伝えられることはありません。この厳格なプライバシー保護の仕組みがあるからこそ、安心してありのままの状態を医師に伝え、必要な検査と適切な治療を専念して受けることができます。

医療機関への相談

「パートナーにどのように伝えればよいか」「いつ切り出すべきか」と深く悩んでしまう場合は、その心理的な負担も含めて主治医や助産師に直接相談してください。 産婦人科の医師は、妊婦さんの置かれた状況や心の負担を十分に考慮したうえで、具体的な伝え方のタイミングや、必要であればパートナーの方を交えて一緒に話をする場をセッティングするなど、中立的な立場からきめ細やかなアドバイスと言い方のサポートを行います。ひとりで抱え込まず、医療者の専門的な知見を上手に頼ってください。

受診先選びと費用・公費補助

妊婦健診の費用については、母子健康手帳の交付時に自治体から支給される「妊婦健康診査受診票(補助券)」を有効に活用できる仕組みが全国的に整備されています。ただし、公費で補助される具体的な範囲や対象となる検査項目は自治体ごとに異なるため、完全に窓口負担が無料になるとは限りません。

これから受診先(産婦人科クリニック)を選ぶにあたっては、こうした費用の仕組みに加え、医師の体制や緊急時の対応などを総合的にチェックしておくことが大切です。

妊婦健康診査受診票の対象項目

厚生労働省のガイドラインに基づき、妊婦健診の費用補助は母子保健の向上を目的として各自治体で運用されています。 今回解説した性感染症スクリーニングを含む基本的な検査項目の多くは、初回の健診や初期の重要な検査として受診票の助成対象に含まれているケースが大半です。

ただし、助成される金額には上限(カバーされる範囲)が設けられていることが多いため、検査内容や医療機関の規定によっては、実費との差額分を自己負担として窓口で支払う場合があります。母子手帳と一緒に手渡される受診票の注意事項をよく確認しておきましょう。

自治体による補助内容の違い

公費補助の総額や1回あたりの上限額、利用できる医療機関の範囲は、お住まいの市区町村(住民票のある自治体)によって運用のルールが異なります。 たとえば、お住まいの住所地と、里帰り出産を行う予定の転院先とで、受診票の取り扱いが異なるケースが多々あります。住民票のある都道府県の外にある医療機関で受診する場合は、いったん窓口で全額を精算し、後日お住まいの自治体窓口へ払い戻しの申請を行う「償還払い(しょうかんばらい)」の手続きが必要となることがあるため、早い段階で確認を済ませておくと後の手続きが非常にスムーズになります。

受診先選びで確認したいこと

安心して妊婦健診を受け、安全な出産を迎えるための一般的なクリニック選びのチェックポイントとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 産婦人科医の在籍状況:専門的な知識を持った医師による適切な診療を受けられるか確認します。
  • 分娩取扱いの有無や緊急時対応:万が一のトラブルや、出産の際のスムーズな対応体制が整っているかが重要です。
  • 夜間・休日の連絡・受診体制:診療時間外の急な体調変化に対しても、迅速に相談・受診できる窓口があるかを確認しておくと安心です。

これらは、医療機関の公式ウェブサイトや、初診時に配布される案内資料などで事前に確認することができます。

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦健診で性感染症検査を断ることはできますか?

A. すべての医療行為はご本人の同意が前提となるため、受けるかどうかの最終的な判断は妊婦さん自身に委ねられます。しかし、これらの検査は母体と赤ちゃんの命を守るための極めて重要なスクリーニングとして、学会のガイドラインでも強く推奨されています。受けるべきか迷った場合は、独断で拒絶せず、まずは主治医に検査の持つ重要な意義について詳しく説明を受けることをおすすめします。

Q. 検査結果は家族に知られますか?

A. 医療従事者には法律および個人情報保護法に基づく厳格な守秘義務が課せられているため、ご本人の事前の同意なくカルテの内容や検査結果を家族を含む第三者に伝えることは原則としてありません。配偶者の方からの問い合わせであっても、ご本人の意思確認なしに結果が共有されることはありませんので、安心してプライバシーが守られた環境で検査を受けていただけます。

Q. 陽性だった場合、出産の方法(分娩方法)は変わりますか?

A. 万が一陽性と判定された場合の分娩管理については、指摘された疾患の種類、現在のウイルス量や細菌の検出状況、これまでの治療経過、そして現在の妊娠週数などを総合的に評価して個別に判断されるため、一律に「必ず帝王切開になる」といった決まりはありません。主治医が診療ガイドラインに則って最も安全な方法を検討し、ご本人と丁寧に相談しながら方針を決定していきます。

Q. パートナーにも検査を勧めるべきですか?

A. パートナーへの検査の推奨は、過去の責任を追及するためではなく、「これからの家族全員の健康と安全を確保する」ための前向きな医学的プロセスです。家族全体の健康状態を健やかに整え、生まれてくる赤ちゃんを清潔な環境で迎えるために非常に大きな意義があります。切り出し方や具体的な進め方に迷う場合は、主治医や助産師へお気軽に知恵を借りてください。

Q. 検査費用はすべて公費でカバーされますか?

A. 自治体から交付される妊婦健康診査受診票(補助券)によって大半の基本検査は助成されますが、自治体が定める助成の上限額や対象範囲によって、一部の項目や差額分が自己負担となる場合があります。具体的な自己負担の有無や金額については、住民票のある自治体の窓口、または受診されている医療機関の事務受付へ直接確認するのが最も確実です。

Q. 妊娠中に新たに感染が疑われる症状が出たらどうすればいいですか?

A. おりものの量や色・臭いの急激な変化、外陰部のかゆみや痛み、発熱、皮膚の異常など、少しでも気になる症状が現れた場合は、次回の健診日を待つことなく、早めにかかりつけの産婦人科を受診してください。妊娠中の感染症の症状は、非妊娠時とは異なる経過をたどることがあるため、早期に医師の診察を受けることが結果として母体と赤ちゃんを確実に守ることにつながります。

まとめ|検査は母児を守る標準的なプロセス

妊婦健診で実施される性感染症検査7項目は、日本産科婦人科学会の『産婦人科診療ガイドライン産科編2023』において強く推奨されている、母体と赤ちゃんの安全を確実に守るための非常に重要な標準スクリーニングです。

  • 標準的な確認手順:これらの検査は特定の「疑い」があるから行うものではなく、すべての妊婦さんを対象にリスクを未然に防ぐために一律で組み込まれている安心のプロセスです。
  • 確立された医療体制:万が一何らかの項目で陽性と判定された場合であっても、現代の医療においては適切な周産期管理(お薬の服用や分娩時の対応)によって、赤ちゃんへの垂直感染リスクを最小限に抑える確実な選択肢がしっかりと確立されています。
  • ひとりで悩まず相談を:パートナーへのアプローチや、デリケートなプライバシーの保護、費用の仕組みなど、少しでも不安や疑問に思うことがあれば、決してひとりで抱え込まず、かかりつけの産婦人科医や助産師を頼り、納得のいく説明を受けながら前向きに妊娠期間を過ごしていきましょう。

なお、東京都港区エリアで丁寧な妊婦健診や各種の初期スクリーニング検査、専門的な医療相談に対応している産婦人科をお探しの方は、しばウィメンズクリニック(医療法人社団しらかば会、東京都港区芝4-5-8 池藤ビル3階)へお気軽にご相談ください。当院の診療担当は月・火・木・金曜日、完全予約制を導入し、プライバシーに十分配慮した穏やかな環境で受診いただけます。詳細はクリニック公式サイトにてご確認ください。

参考文献

この記事の監修者

しばウィメンズクリニック

院長・医学博士 劉 樺(りゅう かんば)

経歴
2007年3月:聖マリアンナ医科大学医学部 卒業
2007年4月~2009年3月:東京女子医科大学病院にて初期臨床研修 修了
2009年4月~2016年3月:東京女子医科大学 産婦人科学講座
2016年4月~2019年10月:東京ベイ・浦安市川医療センター 産婦人科
2016年10月~:東京女子医科大学東医療センター 麻酔科
2020年7月:みなとウィメンズクリニック 開設
2026年4月:しばウィメンズクリニック 開設
資格・所属
産婦人科専門医
日本美容内科学会 会員
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
医学博士
臨床研修指導医

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